【誰でも分かる!】完全初心者さん向け、冬の登山・トレッキング道具ガイド[一覧]
更新日:2021年1月25日

「どれくらい寒いですか?!」
そんなご質問をよく頂きます。
冬の山をトレッキングする上で、初心者さんが一番気にしている事だと思います。
つまり、「どれくらい寒いのか?」によって、極厚のニットやモコモコのフリースに、カイロは予備も含めて4枚など、余分に余分を重ねて、一緒に行くみんなに迷惑を掛けないように準備したいというのが、初心者さんのお気持ちかと思います。(実際、そういうお声を数多く頂きます。)
ところがどっこい。
登山・トレッキングでは、余分な荷物を持てば持つほど、歩くスピードは遅くなり、ザックから取り出すのも一苦労です。
特に冬は雪の上を歩くので、無雪期(雪のない時期)に比べて体力を、最低でも1.5倍以上は(初心者さんは冬の場合、コースタイムの1.5倍〜2.3倍かかります。)体力を消耗します。
なので、トレッキング道具は、過不足なく(必要な道具を必要な数だけ)用意するのが重要なポイントです。
これから、完全初心者さん向けに「冬のトレッキングに必要な道具」についてご紹介していきます。この第1章では全体像をざっくりと掴んで頂ければと思います。
「冬の登山道具は何から用意したらいいの?」という初心者さん必見です!
⛄️ 目次 ⛄️
3−1、基本的な、冬山の服装
3−2、基本的な、冬山の道具
3−3、特別な、冬山の道具
1、該当する山とシチュエーション
これからご紹介する「冬山の服装」や「登山道具」は、北八ヶ岳など概ね「スノーシューで歩ける範囲を想定」しています。(ピッケルや12本爪を使用する山行は想定外です。同じ八ヶ岳でも、厳冬期の赤岳とでは環境も装備も全く違います。)
シチュエーションはあくまで参考程度です。天候やコースによって、難易度は大きく変わってくるので、必ず歩かれる山行のレベルや最新情報を確認の上、ご用意下さい。

時期:12月末〜3月(積雪期)
日数:日帰り・1泊2日
山の一例:
レベル1:標高1000m以下[ 高尾山・筑波山 など]
レベル2:標高2000m以下[ 丹沢山(塔ノ岳・鍋割山)・大菩薩嶺・入笠山・戦場ヶ原・美ヶ原]
レベル3:標高2000m以上[ 北八ヶ岳(北横岳・縞枯山)]写真は、1月の北八ヶ岳・中山(標高2496m)から下山する様子です。
今回は、説明しやすいように便宜的に「標高」でレベル分けしました。
ただ、「標高が高い≒難易度が高い」標高が低いからと言って難易度が低い訳ではありません。
コース内容によって大きく難易度は変わります。冬は人が通る・通らないでも難易度は変わってきます。標高2000m前後の山は注意が必要です。
2、冬の登山道具・着用イメージ(全体像)
山の道具(装備)を準備していく上で、大きく3つの項目があります。

・基本的な、冬山の服装
・基本的な、冬山の道具(装備)
・特別な、冬山の道具(装備)
この3つの項目に沿って説明していきます。
3−1、基本的な、冬山の服装
まずは、冬の山を歩くための基本的な服装からご紹介します。
レベル1〜3、全て共通です。(レベルによる違いは後ほど説明します。)

服装選びで重要なポイントは2つです。
・レイヤリング(重ね着)
・素材
この2点は、冬だけに関わらず、トレッキングの服装選びにおいて最も重要なポイントです。つまり、夏であってもレイヤリングが重要なのです、ただ、冬に関しては、レイヤリングを怠った場合の影響が、より顕著に現れます。
❄️レイヤリング(重ね着)
簡単に言うと「重ね着」の事です。通常は、アンダーウェア+フリース+ダウン+レインウェアの順に着用します。歩いていて暑ければ、上から順に脱いで体温調整します。
レイヤリングは非常に重要です。
なぜ重要なのかと言うと、大量に汗をかいてしまうと汗が乾かずに「汗冷え」するからです。汗冷えは、低体温症と言う病気に繋がります。命の危険に晒すほど侮れない病気です。
❄️素材
冬のおすすめ素材は「メリノウール 」です。
もちろん、着るものによって素材は変わりますが、メリノウール は冬の代表的な素材です。保温性があり、吸湿速乾性があるからです。
❄️レベルによる違い
必要な持ち物は共通です。
違いは「着て歩く」 か「持って行く」かです。
レベル1(標高1000m以下)の場合は、「アンダーウェア」+「フリース」を着用するが、レベル3(標高2000m以上)の場合は、「アンダーウェア」+「フリース」に加え「ダウン」+「レインウェア」まで全て着用する点です。
歩いている間に暑いと感じれば、上のウェアから順に脱いで体温調整します。これが、先にお話ししたレイヤリングです。
重要なので重ねて言いますが、レベル1〜2であっても驚くほどの快晴であっても全て持参が必須です。天候が急変したり、思わぬトラブルで濡れた場合等に替えが必要だからです。
特に、よく初心者さんがやっちゃいがちな「レインウェア」
「雨が降っていないから置いてきちゃいました」という初心者さんが多いのですが、レインウェアは、体の鎧だと思ってください。雨だけでなく、風や急な雪・吹雪からも身を守ってくれます。
❄️おすすめのウェア
服装で最も重要な「アンダーウェア」は、服の心臓といっても過言ではありません。
私が長年愛用しているのは、Patagoniaのサーマルウェイトです。ジッパーで首回りまでしめる事ができて、フード付き。保温性と吸湿速乾性が備わり、抗菌防臭もあります。冬の相棒です。
お値段は高価ですがコストパフォーマンスは最大です。間違いなくオススメできるアンダーウェアですね。私は、冬季は週に最低1〜2回着ては毎回洗濯していますが、3〜4年以上は使っています。私はこれがないと登山ガイドに行けないくらいです。これ以外に乗り換える気は一切ありません。
Patagonia(パタゴニア) レディース Tシャツ トップス Patagonia Capilene Thermal Weight Zip-Neck Top - Women's Black 価格20,000円〜
他のアンダーウェアで安価な物は沢山ありますが、アンダーウェアは良質な物をお選び頂くことをオススメします。安価な物は、やはり廃るのも早いのです。生地が薄くなったり・ヨレたりして使い物にならないことがあります。特にスポーツに置いては、タフで機能性に優れたものの方が、長い目で見た時に安心かつコスパがよいです。
また、アウトドア商品は機能性の高いものが多いので、トレッキング目的以外の「ランニング」や「ヨガ」でも活用できます。
リーズナブルな商品で選ぶなら、ミズノのブレスサーモがオススメ。シンプルなデザインと、機能性に優れています。
ミズノ(MIZUNO)ブレスサーモ アンダーウエアプラス ハイネック長袖シャツ 女性用 ブラック M 価格3,900円〜
その他の道具については、次の第2章で詳しい「機能性」や「選び方」を解説しています。
3−2、基本的な、冬山の道具
お次は、基本的な道具です。
使用中以外は、全てザックの中に入れて持ち運びするものです。

どのレベルであっても、上記は必須です。
ザックは大きめの物を用意して下さい。暑くなってダウンやフリースを脱いだ時に、入れれるスペースを確保しておきましょう!
3−3、特別な、冬山の道具
最後は、冬限定(積雪期)の特別な道具です。

アイゼンは、初心者さんであれば6本爪で十分です。行く山によってはチェーンスパイク(より簡易的なもの)で可能な場合もありますが、アイゼンがあった方が将来的に考えて便利です。
注意点としては、必ず当日までにアイゼンがトレッキングシューズに装着できるか確認してから行ってください。
4、最後にオススメの準備方法
登山・トレッキング道具の用意は、最初は時間がかかりますよね。
私でも登山前日に「あら、アイゼン入れ忘れる所だった!危ない危ない」なんて事があります。トレッキングは、重要なアイテムを一つ忘れるだけで、現地で中止せざるを得ない事もあるので、忘れ物は出来ません。
そんな忘れ防止と効率的に準備するためのオススメの準備方法は、「一度用意した道具を、メモに箇条書きで残しておく」ことです。
そうすると、次回用意する際は、そのメモの内容を忠実に用意すればいいのです。前日にチェックすると、忘れ防止対策にもなります。(私はこれで何度救われた事か(笑))
頭で考えるよりも確実に、早く準備できるので、慣れれば15分で準備完了です。メモが大変なら、下記の画像をダウンロードしてお使いください。

さて、冬の登山道具(装備)の説明については以上になります。
続く第2章では、トレッキングの服装の「機能性」や「選び方」について解説します。
「今度、この山行くのですが、ダウンとフリースは1枚づつで良いですか?」など、質問したいことがある方はお気軽にお問い合わせ下さい。お答えできる範囲で回答させて頂きます。
なお、アストレツアーでは、ご案内した服装や道具を全てこちらでご用意する事も可能です。単品のレンタルも行なっているので、是非ツアーへのご参加お待ちしております!