【山知恵】冬の"風速" と"寒さ"ってどれくらい? in爆風の雪景色に心を奪われた北八ヶ岳
爆風の中、北八ヶ岳を登ってきました!
この日は、ロープウェイの頂上付近で風速14m、縞枯山の山頂は17〜18mと計測されていました。
爆風っていうからどれくらいかと思えば「体がフワッと浮きそうになる」くらいです。
そう聞くと、ヒョエーって感じですよね。
今回はちょっと簡単に、「風速」と「冬の寒さ」のお話をしたいと思います。

青空が広がっていて雪とのコントラストが美しいです〜
デーモ
ひとたび、風が強まると吹雪になります(笑)

よく見ると、お顔に雪が吹き付けてます。
これが痛いのなんのって。
風速15mくらいもあると、ふわ雪も凶器です(笑)
まず、風速の基準をお話します。
① 風速10mを越えていると「注意」
→ 風に向かって歩きにくく、傘はさせません。
② 風速15mを越えていると「困難」
→ 風に向かって歩けず、転倒する人も出ます。
③ 風速20mを越えていると「行動不能」
→ しっかりと体を確保しないと転倒します。
この日は、②の風速15m前後です。

ロープウェイ付近〜八丁平の標高2233m前後付近
開けた雪原の様な地形もあって風の影響を受けやすいので、体が揺られる事もあります。
でも、風速14mくらいだと、ストック持ってしっかり歩いていればOK!
八丁平から縞枯山の展望台へと向かいました。

八丁平から縞枯山の展望台までは、樹林帯なので安全です。
木が守ってくれるから、風の影響をほとんど受けません。
地形によっても、風の影響度が違うという事です。
同じ風速でも、赤岳(八ヶ岳を代表する山で標高2889m)だと十分な注意が必要です。
問題は、頂上ですよね

縞枯山〜縞枯山展望台の標高2403m
はどうなのかと言うと、樹林帯を抜け一気に展望が広がるので、爆風が体を押し倒します。普通に立ってるだけで、体が持っていかれそうなくらいパワーがあります。気を許すと転倒しちゃいます。
なので、歩くときはしっかりストックを突き刺し、メンバー固まって中腰で歩きます。
「爆風が来た!」と思ったときは、腰を落とししゃがみ込む姿勢で風が落ち着くのを待ちます。
なので、ほふく前進とまではいきませんが、止まっては進み、進んでは止まり、風の塩梅を見ながら前進します。無理に歩こうとしたら、普通に風で薙ぎ倒されて怪我(最悪は滑落)をしてしまいますので・・・(ブルブルッ)

ああああああぁ〜〜〜っ!!
爆風の中の写真撮影も一苦労です!
爆風はもちろんですが、何より痛いくらい寒いのです。
なので、実際には山頂に長く立っていられません(笑)

でも、頂上に上がってきた皆んなが爆風に興奮して
「景色も爆風もすげえぇー!」と賑わっており
大変楽しい雰囲気でしたよ〜!!(笑)
風による影響は、歩行だけでなく「体感温度」にも関わってきます。

ええっ、マジ?!!
体感温度とは、人間の肌が感じる温度の感覚を、定量的に表したものです。
人間の温度感覚は、皮膚面の水分(汗)が蒸発したり、皮膚面の熱が奪われたりすることで生ずるものです。 こうした体感温度は気温だけでなく、実際には湿度や風速等によって影響されやすく、たとえば多くの場合は風が強いときほど体感温度は下がります。
風速が1m強まるごとに、-1℃体感温度が下がります。
この日は、気温が-1℃でした。(頂上の風速は18mとなっていました)
つまり体感温度は、理論上でいうと-19℃になるわけです。
ほ、ほんとかよ!?
って感じですよね。
これはあくまで理論上のお話ですし、体感温度には着ている服などによる個人差があります。
今回でいうと、日照もありそこまで寒さを感じませんでしたが、山頂は長く立っていられず、顔に風が当たると痛かったですかね〜。

今回は簡単な、風速と風の影響による体感温度のお話でした。
冬のトレッキングの準備をする時は、風速も気にしてみる事でより快適なトレッキングが出来ますよ〜!レッツトライ!