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earth trekking代表 あいかな

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「 なぜ私たちは自然を求める? 」湘南のニュースから自然と人間の関係性を考えてみたら、案外面白い。


最近、湘南に駆け込む人で溢れかえっているようです。

外出自粛が強く呼びかけられる中、神奈川県の湘南エリアは道路もビーチも大渋滞。


ロックダウン中のフランスでは、ジョギング(運動のみ可能。散歩は禁止と書いた申請書を提出すれば外で運動が出来るのですが、自然公園はニセジョギングの人で溢れかえっているそうです。


ノルウェー人の旦那さんをもつ友人から聞いた話によると、ノルウェーでは森が大混雑だとか。


つまり、ちょっと大袈裟に言えば、世界的な「自然需要」というわけです。


なぜ人は自然を求めるのか?

人々は、自然を求めて外出の欲求を抑えられそうにありません。

様々な人の声を聞くと、「家にこもっているとストレスが高くなる」「広い場所に行きたい」「風や水の音を聞きたい」などなど。(その気持ちすごく分かります。私も早く新緑の森を見たいですから。)


でも、なぜそこまでして人は自然を求めるのか?

いま外に出ると、感染する危険性もありますし大渋滞に巻き込まれるかもしれない。それでも、行く。不思議だと思いませんか。


なぜですか?と聞かれたら、その理由を明確にに答えられる人はそう多くないと思います。殆どの人が無意識に、自然を求めているのです。




心理的側面] 自然にまつわる偉人達の格言

ドイツの社会心理学者である、エーリッヒ・フロム氏はいいました。

人間が完全に自然から離れることはない。あくまで人間は自然の一部だ。」byエーリッヒ・フロム


または、ゲーテの言葉にも、

人はたとえ自然に反抗する場合でも、自然の法則には服従する。逆らってみようというときでさえ、自然とともに働くのだ。」 by ゲーテ とあります。


その"心理的な側面" から読み解くと、自然の一部である人間は、自然の法則に乗っ取って動いていると言えます。イケナイと分かっていながらも大渋滞を乗り越え湘南に向かう行為は、ある意味「心理身体的に自然が必要」という自然の法則に乗っ取っていると言えるのかもしれません。

山岳はすべての風景のはじめであり、終わりである。」by 社会思想家 ジョン・ラスキン

山好きをくすぐる格言ですよね。「山に始まり山に終わる。」山を愛している者としては、嬉しい言葉です。



[科学的側面] 「なぜ人は自然を求めるのか」の根拠は?

さて、では科学的にはどうでしょうか?


結論からいうと、この問いに対する "明確" な答えはまだ得られていません。

しかし、多くの研究者は、人の自然環境に対する関係を「生物進化の過程のなかで、人間が備わってきた先天的な”何らかの"作用がある」と仮定しています。


つまり、現代人が原始人?(大袈裟すぎました(笑))でも 「40年前〜200年前の生物進化時のDNAに組み込まれた内容によって今も活動している」としたら面白いですよね。


そりゃ、自然欲しくなるや(笑)


経済が急成長し、都市化が大幅に進んだのはここ数100年前後の話ですから、単純計算で考えても、40万年(自然のなかで過ごす)> 100年(人工物に囲まれて過ごす)多くの時間を自然の中で過ごしてきたと言えます。まだまだ、自然の環境で過ごしてきた時間が長い人間にとっては、現代の都市や機器などの人工物に囲まれた生活に適応するには短期間すぎて、少々過酷であると言えるかもしれません。そう考えると、ストレスを抱えたり精神的な病を抱える人が増えるのも不思議な事ではありませんよね。

社会生物学者 Wilson(エドワード・オズボーン・ウィルソンは、バイオフィリア仮説を提唱しています。バイオフィリア仮説とは、人間が潜在的に他の生物との結びつきを求める傾向、本能があるとしています。例えば、自然保護は我々のバイオフィリアの本能に合致しているのだそう。


環境心理学者のレイチェルとスティーブンカプランは、環境選好行列を提唱しています。カプランらは、人間関係や健康に対する自然の影響に関する研究によって、他の環境心理学者やデザイナーに影響を与えた教授です。


自然界の生存競争を生き抜くうえで、環境中に存在する危険を素早く察知し、適切に対処することは非常に重要です。そのため、環境中の情報をスムーズに処理できなくてはならない。という観点から、人の認知特性(認知特性とは、情報を頭の中で理解・整理・表現をする方法のこと)に適応した環境がより好まれると考え、"理解と探索"・"即時的と予測的" という2つの次元で構成されたのが環境選好行列です。(以下の参考文献:ttps://www.jstage.jst.go.jp/article/jenvpsy/1/1/1_38/_pdf

"即時的と予測的" の次元は、必要な情報がその場で直接得られるものであるか、何らかの予測や推測が必要とされるかを意味します。環境に含まれる内容に "規則性" や "秩序" など一貫性が高い場合、その環境の理解が容易になります。


"理解と探索"の次元は、どちらも環境に対する人間の基本的な欲求です。環境が様々な要素を含み、複雑性が高い場合は、その環境による探索性が引き起こされます。


カプランらが提唱したモデルの最も特徴的な要素は”神秘性"です。神秘性とは、例えば、曲がった小道を進むと、その先の周辺が草木に覆われ隠されている場面です。(ジブリの「千と千尋の神隠し」の一番初めのシーンに、道に迷って車が山の茂みに入っていく場面がありますよね。気が付いた、不思議な洞窟が突如目の前に現れます。)

今いる場所から直接見ることは出来ませんが、その先に歩みを進めると、もしかしたら幻想的な美しい眺めが広がっているかもしれません。ここでいう神秘性とはそう言う意味です。(「トンネルのむこうは、不思議の町でした」は、千と千尋の神隠しのキャッチコピーです。)



つまり、カプランのモデルによると環境の理解を促進し、環境の探索に繋がる特徴を多く含む環境」を人間はより好ましいと感じます。ですから、一般的に都市景観よりも自然景観の方が人々に好まれるのは、自然の方がこれらの好ましいと感じる特徴をより多く含んでいるためであると考えられています。


いやぁ、人間と自然の関係性は非常に奥深く「面白いなぁ」と感嘆してしまいます。

[まとめ] 人が自然を求めるのには根拠がある。

Wyh「なぜ、私たちは自然を求める?」と聞かれれば、Because「私たちは、地球生物として自然が必要な身体の仕組みになっているから」からです。この結論だけ見れば、そりゃ、そうだろう と言われそうな解答も、"ではなぜですか?" "科学的な根拠はあるのでしょうか?" と聞かれれば、多くの人が途端に口をつむり考え込むと思います。


人間として必然的な事であれば知っていて損はないし、そう言った疑問を考えるのは面白いだろうと思い記事にしてみました。この記事をきっかけに、「確かに、自然って必要だよな」という事を改めて感じてもらえれば嬉しいです。